リートフェルトアカデミー(オランダ) 交換留学生レポート

オランダのリートフェルトアカデミーとの短期交換留学を終えた、寺内智之(3年)からレポートが届きました。

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交換留学レポート

遂に4ヶ月半に渡るアムステルダムでの生活、リートフェルトアカデミーでの交換留学期間が終わりを迎えてしまいました。この生活を終えてしまったことに深い寂しさを感じています。学校生活は前回予告したUNCUTと新しく始まった授業Researchの紹介をします。

リートフェルトアカデミーでは11月に入ってすぐ、前回のレポートで紹介したUNCUTという展示会が催されました。二日間、早朝から深夜に渡って行われ、リートフェルトアカデミーの学生が如何に個性的かつ独創的で新鮮な作品を生み出しているかを物語っていました。準備の前まずにみんなで缶ビールを一杯。出品された作品のほぼ全てがパフォーマンスであり、それぞれの専攻の枠に捕われることがなく生き生きしていました。例を挙げると、私たちテキスタイル科2nd yearは、4台のモノクロコピー機を設置し、来場者の衣服や持ち物、身体等をコピーしてもらい、それを私たちが壁一面に延々と貼付け模様を構成し時間の経過に伴う模様の変化を見せる来場者参加型のライブパフォーマンスを行いました。(写真1、2は私たちのパフォーマンスの様子です)

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11月後半から12月初めまでResearchという一つの雑誌を調査しインスピレーションを受けてグループごとにパフォーマンス形式のプレゼンテーションを行う授業で、オランダの最北端のWongema(リートフェルトの先生が経営する合宿施設)でパフォーマンス披露のための合宿を行いました。本番の日まで、それぞれ調査し考えてきたパフォーマンスを話し合い構成し練習を重ね、それぞれアドバイスし合いながらパフォーマンスをより良い形にしてゆきました。各グループのパフォーマンスは非常に個性的でとても魅力的でした。正直に言うと、私はこの授業について何のためにやっているのかと疑問に感じていました。しかし、より個性的でより魅力的なプレゼンテーションを行うためにとても重要なのではないかととても考えさせられる授業でした。(写真3、4は最北端の地で友人たちとの記念写真とパフォーマンスの様子です)

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リートフェルトの最後の授業の日は、Evaluation(評価の日)。一人一人タイムテーブルがきちんと作られ、持ち時間20分と一人10帖程の部屋を与えられます。そのスペースの中で作品の配置構成しリートフェルトでの成果について3人のチューターの前でプレゼンテーションを行いました。ここで面白いのがクラスメイトの作品が「ほとんどテキスタイル関係ないのでは?」と思うものばかり。しかし、彼女たちにとってはそれらの作品はテキスタイルであるのです。と言いつつ私が作ったものもそんな自由な雰囲気を受けて「ほとんどテキスタイル関係ないのでは?」という作品。プレゼンテーションを終えるとワインを片手に成績表を受け取り、打ち上げをしました。またヨーロッパに戻ってくると再会の約束をし、ヘリット・リートフェルトアカデミーでの生活を終えました。

リートフェルトアカデミーはここまで自由で良いの?という程、独創性の溢れる学校で4ヶ月間の短期の留学でしたが、私に与えた影響は非常に大きいものであるとひしひしと感じています。海外での生活する中で多くの物を見て感じ、多くの人に出会い交流し、日本にいてはおそらく出来ない非常に多くのことを経験しながら可能性や選択肢が大きく広がり、自分の目指す道を見定めることが出来た日々でした。世界には未知なる多くのことが溢れんばかりに存在し、私がオランダで経験したこともおそらくその一部分でしかないはずです。私に留学の機会を与えて下さったことに非常に感謝しています。なぜなら、現在私は、もっと世界を知りたい好奇心とその世界で光りたいという気持ちを大きくさせて頂けたからです。

2013.1.18 寺内 智之