テキスタイルデザイン専攻について

学生の生活について 施設について 入試について よくある質問

Introduction

テキスタイルは、人の手により作られ古くから人間の心身と生活を包み育んできました。世界中のあらゆる民族が、風土に根ざした繊維素材と技術によりそれぞれのテキスタイル文化を創出しています。テキスタイルは世界の人々を繋ぐ共通の営みです。

テキスタイルは身近な衣生活や住空間にとどまらず、車両内装・産業資材、医療素材から宇宙開発の素材としてさまざまな場所で用いられ、その可能性は広がり続けています。このような幅広い領域に関わるテキスタイルにはファッション・芸術文化や経済、社会の諸相が色濃く反映されています。なかでも日本は、「伝統的な手わざによる染織文化」と「先端的なテキスタイルテクノロジー」が共存する世界でも希有な国の一つです。

生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻は、テキスタイルにかかわるデザイン活動・芸術表現を行う優れたデザイナーとアーティストの育成を目指します。

授業では、素材の成り立ちとその扱い、技術・造形表現の習得を土台に、布の物理的な機能や文様の装飾的な役割、色彩の力などに注目し、手わざによる染織技法の習得からデジタルテクノロジーを駆使した表現まで実践します。同時に社会におけるさまざまな視点からテキスタイルの役割を考え、産官学や国際社会との共同プロジェクトを通して実践的な学習を行います。また、環境問題に対する認識を深めながら、未来を考え創造する力を養います。

国際社会の即戦力となるような豊かな感性と思考力を備えた人材育成のため、実践的な英語教育・交換留学・国際交流プロジェクトなどに取り組んでいきます。新しい時代のテキスタイルクリエーションを担うリーダーの育成、人文科学領域において服飾文化・民族学・保存修復などの研究、文化遺産および伝統的な染織技術の保護と継承、地場産業の振興など、幅広い意味で社会のテキスタイル領域を支え発展に寄与できる人材の輩出を目標とします。




学生の生活について

授業を受けるのが大きな目的ですが、大学キャンパスではそれ以外の時間に仲間同士で語りあったり、共同プロジェクトを行う学生もおります。
後期からは海外からの短期交換留学生も交えて、授業以外の交流も友情を育む大切な時間です。言語の壁を超えて盛んです。




施設について

地上3階建てのテキスタイル棟には、研究室、各種教室、工房とギャラリーがあります。そこでは、染・織実習、シルクスクリーンはもとより各種布加工、素材加工を可能にする設備がニーズに合わせて備わっています。また、エントランスギャラリーでは常に学生の作品展が行われ学生相互の刺激空間として機能しています。




入試について

テキスタイルデザイン専攻ではこんな人に入学してもらいたいと思っています。

糸や布や色彩に関して誰よりも強い関心を持っている人
テキスタイルの造形可能性について自由な発想を持てる人
国際的なテキスタイルデザイナー・アーティストなど
創造的な領域で活躍したいと願う人
広い意味での想像力、表現力、審美眼を具えた人
テキスタイルの世界を自ら切り拓く意力のある人




「テキスタイル専攻について」よくある質問

Q: 服飾専門学校との違いは?

A: 魚料理に例えると、切り身から調理をするのが服飾専門学校で、魚を卵から育て調理をするのが本専攻と言ってもよいかと思います。
表現素材である布を原材料から学び、どのような質感の布が必要なのかを考えテキスタイルから服を制作します。
2年生後期からのSTUDIO制で身体とテキスタイルについて学ぶSTUDIO2を選択した学生は、週1〜2回の基本的なパターンメイキングや縫製の講義を受けますが、それらの技術を習得することが本専攻の目的ではありません。身体とテキスタイルとの関わりを表現するための基本的な知識と技術として指導を行っています。


Q: テキスタイルについての知識がなくても、授業についていけますか?

A: 全く問題ありません。
本専攻では初めて学ぶことばかりですので、全員が同じスタートラインに並び学び始めます。頭で理解できないことでも、手を動かしながら体で学んでいきます。不器用であることを気にする人もいますが、それも全く問題ありません。
適性とは上手くできることではなく、積極的に取り組み努力できるかです。試行錯誤することを楽しむことができれば必ず成果に結びつきます。


Q: 身近なテキスタイルというと服を思い浮かべますが、他にどのようなものを制作しますか?
また卒業後の進路は?

A: テキスタイルは人々の生活になくてはならないものです。そして多種多様に変化するものでもあります。
カーテンや絨毯などの空間やインテリアに関わるものや、テキスタイル素材や染織技法を駆使した絵画的表現、彫刻的な立体表現、おもちゃや遊具の提案など幅広く興味をもったことを探求し制作します。
卒業後の進路ですがインテリアやアパレル業界はもちろんのこと、車の内装に居心地の良さを求める時代となり車両業界に就職する学生が多くなってきました。また実制作を基本としたカリキュラムであることから、起業する卒業生が多いということもテキスタイルデザイン専攻の特徴です。