チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ(イギリス)
孫芊平
- セミナーの様子
- セミナーの様子
- グループワーク
- 課題作品
- デザインサンプル
- バービカンセンター植物園
ロンドンに来て二ヶ月が経ちました。多摩美の先生方、クラスメイトのみなさんはいかがお過ごしでしょうか。ここでは、何もかもが日本と違っていて、毎日たくさんの刺激を受けて、新しい仲間達と充実した毎日を過ごしております。
チェルシー美術大学では一つ目の課題を終えました。Color Material and Finish design(CMF design) と言い、素材の色、テクスチャー、最終的な使用場面や展示場所を考えるといった内容の課題でした。特に色に着目し、独自のカラーパレットを作ることが課題の条件の一つでした。私は街の色に注目して最初のスケッチを行いました。2023年はコロナ禍が収まり、色々な場所に旅行に行くことができました。その中で、それぞれの街に独特な色があると感じ、韓国、日本、中国、フランス、イギリスの街で撮った写真を集め、街それぞれのカラーパレットを作ってみました。
その過程で気づいた点が一つあります。どの国にいても、空の色は共通して私の心を動かすものだと言うことです。5週間という短い期間の課題で、全ての街のカラーパレットを作るには厳しいということもあり、課題のテーマを”空”に設定しました。空は常にその表情を変え、実に多くの色を持っています。そこで私がいつも描いているキャラクターの世界に落とし込んで考えてみました。朝から始まり、夜中まで一日の空の変化をテキスタイルの形で表現しました。
正直な所、この課題では満足のいく制作はできなかったなかったなと感じました。しかし、多摩美に比べて、授業のペースがゆっくりであり、落ち着いてテキスタイルと向き合うことができました。
日本にいるときは忙しい毎日に追われすぎていて、自分が作りたいものが一体何かを見失っていたと感じました。そして、今回の課題を通して、今までただ出されたことをこなしているだけで、絵画という自分の安全圏に逃げてしまっていたんだなと気づきました。もっとテキスタイルとして美しいものにするにはどうしたらいいか、次の制作ではもっと時間をかけて大胆に実験をしてみたいと思います。作品としては物足りないものでしたが、自分自身にとって大切な発見と反省があり、きっと今後に繋がるだろう有意義な時間を過ごすことができました。
また、制作を進める合間に、いくつかワークショップが開かれていて、何かヒントになるかもしれないと思い、参加しました。一つ目の授業では写真から美しい色をピックアップして自分独自のカラーパレットを作ることを学びました。
二つ目では雑誌や新聞などの出版物から美しいと感じた色を抜き出し、組み合わせるという方法を学びました。
どれも全ての制作に応用できる方法で、日常的に進めることができるものなので、課題以外でも自分のカラーパレットを集めて活用していきたいと思っています。
以上がこの二ヶ月間で学んだことです。次の課題は学科を超えたグループワークです。そこでもきっと多くの学びができるだろうと不安ながらも期待しています。成長した姿で帰国できるようにしたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。それでは皆様、お元気にお過ごしください。