オスロ国立芸術大学(ノルウェー)
庄司廉

私はノルウェーのオスロにあるオスロ国立芸術大学の大学院のデザイン学科のコスチュームアンドファッションデザイン専攻に8月から12月までの4ヶ月留学しています。
大学院1年生の生徒と授業を受けています。クラスメイトは国籍、年齢様々で、ファッションデザイン専攻以外のデザイン科の生徒と一つの大きい部屋の各々のデスクで制作しています。縫製部屋や木工部屋など専門的な部屋は他にあり、制作に合わせて別の部屋で作業します。座学の理論の授業が週に数回ほどあり、その他の時間は自分の時間になります。自分の制作を進めたり、座学やグループワークのために作業します。そしてパフォーマンス科や他大学の音楽科の生徒とのコラボレーションプロジェクトもあり、そのためのグループワークも集中的に1週間行うことも数回あります。技術を学ぶ時間は最初の1週間のワークショップのみで、クラスメイトや他の学科の学生とコミュニケーションをとる機会が多くあります。公用語はノルウェー語ですが、大学院では他の国籍の学生が多くいることもあり、授業やグループワークは全て英語で行われます。

私は最初に縫製と編み機のワークショップを受けました。多摩美術大学にはない編み機で、英語での説明なので、一つ一つの作業についていくだけで必死でした。ですが、わからないことがあればクラスメイトや先生方に聞けば、快く助けていただいています。その他のワークショップも申し込めば参加可能ですが学部の学生も多くいることから定員いっぱいになることが多く、参加が難しい状態です。編み機も6台しかなく、学部生の制作や授業で使用するため、時間を調節して使用することが重要です。

秋学期の大きな1つの課題として「差をつけるコスチュームや衣装を制作する」という課題があります。現在この制作を行なっています。日本産の島精機のニットマシーンで自分のドローイングからニット生地を制作したり、編み機を使って自分で自分で編み地をつくったり、手編みも行い、制作しています。座学の理論の授業では、発言やプレゼンテーションもあり言語の勉強やメンタルの強化ができていると思います。

夏から冬にかけて温度や日照時間の変化が激しく対応するのが難しく感じます。夏は夜遅くに日が落ち、冬は昼過ぎに日が落ちます。国が運営する学生寮で生活していて、ルールがあるので、気をつけて生活する必要があります。物価もかなり高いため、生活面で混乱することが多いですが、朝早く起きて大学に行くことを心がけたり、自分の楽しみを見つけて生活できています。

私はニットを学びたくて留学したという理由もありますが、それ以上に自分自身を成長させたいという理由で留学を決めました。自分や他人に対する自分の考え方をポジティブに変えたいという思いがありました。私はこれまで長く海外に滞在した経験がなく、他の国の人と意見を交換したり、価値観に触れ合うことが初めてでした。私はクラスメイトとコミュケーションをとってみんないい意味で他人に興味がなく、素直に尊重していると感じます。この滞在を経て、自分の考えや感じ方が変わっていると思います。もうこの留学は折り返していますが、あと約2ヶ月全力で制作して、色々な経験を積み、自分自身を成長させたいと思います。