グラスゴー美術大学(イギリス)
平野佑季


私はイギリスのスコットランドにある、グラスゴー美術大学に留学しています。ここで生活を始めてから約3ヶ月が経過しました。初めての異国での一人暮らしは、最初の1ヶ月は不安と孤独に押しつぶされそうでしたが、今ではここでの生活にも慣れ心地よい毎日を送っています。 スコットランドの冬は日が短いことに加え、雨が多く寒さも厳しいと聞いていたのですが、気候に関しては日本の冬とさほど変わらないなという印象です。気持ちよく晴れる日も多く、日本の空の青よりも透明な気がします。

グラスゴー美術大学は市街地にほど近い坂の上にあります。
私はFashion&TextileDesign科の3年生に属しており、プリント、ニット、織り、刺繍の4つの専攻があり、私はプリントを学んでいます。課題の内容は、インテリアのためのデザインを考えるというもので、The Bradford Textile Societyのコンペのいくつかあるテーマの中から一つを選択し、そのテーマに沿ってプレゼンテーションを行います。私はクッションのためのファブリックデザインをテーマに制作を行いました。授業はメールで時間や場所が指定されます。週に一度、技法を学ぶワークショップがあり、いろいろな方法で布に着色したり、布に立体感をつける特殊技法を学ぶことができます。染料が自由に使えることに加え、バインダーやフィルム、布など制作に必要な資材を学校で買うことができ学ぶ環境が整っていると感じます。また、週に30分ほど担当の先生と一対一でデザインの相談をする時間があります。どの先生も私のつたない英語を一生懸命理解しようとしてくださり、英語があまり得意でない私でも授業に困ることはありませんでした。また時間をどう使うかが個人の判断に委ねられていることも違いを感じます。

今回留学に行きたいと思った理由の一つは、海外にいる時の自分が心地よい状態であると思えることが多いからです。私は今までに3回の海外へのホームステイ、訪れた国は10カ国以上あります。日本で生まれ育った日本人なので、日本のことがとても好きなのですが、日本人は自分にも他人にも厳しすぎる人が多いと感じます。海外にいると他者に寛容になれることに加え、自分自身に対しても寛容になれます。自分の状態に満足し自分を好きでいられることはとても幸せなことです。帰国まで約2ヶ月。文化の違いを肌で感じ、学び、少しでも大きな人間になっていい顔で帰れるよう、毎日を大切に、危機管理を怠らず留学生活を楽しみたいと思います。