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原風景
現代の生活における布の存在価値について、織ることについて考えている。
日々の中で布は、わたしたちの近くに常に在りながら、かつてそこにあったものづくりは遠くなり、人々の意識にのぼることは少ない。布の製織技術の進歩はめざましく、さまざまな加工や安価に効率的な生産が行われているが、わたしは人がその手で織り上げた織物の美しさは何にも代え難いと考えている。
自分自身の技術と感性で、今の時代に手仕事の魅力と可能性を示したいと思った。次の時代にも美しく残したいふるさとの風景にわたしの想いを重ね合わせ、経絣と縫い取り織で丁寧に織り上げた。