石川 晶子 Seeing 見えないことはわたしたちを不安にさせる。 曖昧に見えるかたちを眼鏡やコンタクトによって明瞭にして、 わたしたちは安心する。目を開けば、今日も大量のデータが飛び込んでくる。 わたしは眼鏡を外し、ぼやけた世界で目を凝らしていたい。少し見えないくらいのほうが、居心地がいい。見えないからこそ、「そのもの」を見つけ出そうとする。 わたしはゆっくり輪郭線をひく。