タン キャリー イン トン お家に宿るエンパシー バシュラールの「空間の詩学」によると、人が想像する家の構造には詩的な意味があり、思い浮かべた家はその人の無意識の構造に類似している。家の中を歩き家具を触わると、懐かしいと同時に掴みどころがない空間のようにも感じる。母が言っていた「体は魂の神殿だ」という言葉は、まさにこの感覚と近いかもしれない。家という空間の中に居れば居るほど、住人としての自覚を身につける。そして、私の存在の輪郭線がよりに明白になる。