卒業制作優秀作品

山際 あゆ

撚り繋ぐ

縄文人は人とすべてのものが同等で調和すると考え、 物事を分化しない壁のない暮らしを常んでいた。 また、 縄文土器は、 全体を覆う文様と奇妙な突起がついている表層と器としての構造が一体化している。 彼らに心惹かれる一方で、 私はエゴから生まれる価値観に縛られ、 自衛のための見えない壁を築いてしまうことがある。 この縄文人の思考と造形に深く共鳴し、 素材と技法の力だけで線が実在するかたちを作り出すため、 糸を撚り捩る行為を繰り返し、 私自身の壁を壊し見えない境を超えて繋ぐものを探求した。