福川原 季里 #9 中から話し声が聞こえる。 隣の部屋たちにはついさきほどまで人の居た気配がする そういえばこの間ここにきたときも この部屋だけ入ることが出来なかったことを思い出した いや その前もまたその前も、 ここへ来たときからずっとらしい 時間とともに塗り重ねられた白は それら在る立体を、空間を、 ますます同じものにする