小野坂 葉子 光景のまたたき 今この瞬間見ているものは絶えず変化し、刻一刻と過去になっていく。 あらゆるものの細胞や分子は絶え間なく動いているため、全く同じ場面は二度と無い。私達は常に更新される光景の只中に生きているのだ。 自分の目で、今見ていることがただ一つのかけがえのない体験だと気付いた時、光景がまたたき始める。